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ヘルシーコラム

料理研究家・卯月佳子の 旬菜キッチン ~心と身体に効くレシピ~
<はじめに>

こんにちは、花ランでメニュー開発を担当している料理研究家・卯月佳子(うづき けいこ)です。
このコラムでは、日本の四季折々、北海道から沖縄まで数えられないほど存在する豊かな食材を毎回ひとつ取り上げ、その食材の特性と、その食材を活かしたオリジナルレシピを、私のキッチン(旬菜キッチン)から皆さんに紹介していきたいと思います。毎月の連載(予定)ですので、皆さま、お楽しみに!

第 14 回 <筍>

(2010.3.25)

春の味覚を代表する野菜の「筍(たけのこ)」は、成長が早く、10日(旬内)で竹になるといわれるところから「筍」の字があてられました。ちょっと苦味のある、なんとも言えない味は、旬の日本料理にかかせない食材です。

筍

・筍とは・・・

筍の記述は「古事記」にも見られ、日本でも古くから食べられていたようです。ただし、現在手に入る筍はほとんど中国が原産地で、当時はまだ日本に入ってきておらず、そのころ食用としていたのは、日本に古くから自生する真竹(まだけ)ではなかったかと言われています。

旬は4~5月です。生の筍は旬の明確な食材で、特に季節感を大事にする日本料理では春の味覚として喜ばれます。

筍の種類は、約70種類程ありますが、一般的な食用の筍は、孟宗竹(もうそうちく)の若芽のことをいいます。

・孟宗竹(もうそうちく)
皮に茶色のビロードのような毛が生えているのが特徴で、最も味が良く、筍の代表格です。九州・四国から東北南部まで採れますが、土地により品質に差が生じ、味の良さで定評があるのは京都産のものです。大型で肉厚、実は白く柔らかで、えぐみも少なく、甘味を含んだ独特のうまみと、歯ごたえがあります。吸い物や和え物、煮物、揚げ物などに利用されます。

・淡竹(はちく)
5月頃、九州や関西地方から出回ってきます。耐寒性もあり、北は北海道南部まで栽培されています。原産は中国です。皮の色は赤紫色、茎は淡い緑色で白い粉をふきます。肉質が薄く、味はえぐみが少ない淡白な味です。

・真竹(まだけ)
関西、特に京都に多い種です。中国原産とされますが、日本に野生のものが自生していたとも言われています。皮は毛が無く、黒い斑点があり、民芸品や包装用に用いられます。肉質はやや硬めで、あくが強く、苦味もありますが、味は良いです。

・根曲がり竹(ねまがりたけ)
(別名)五三竹(ごさんちく)、千島笹(ちしまざさ)、篠竹(すすだけ)
日本特産の笹で、東北、北海道などが主な産地です。地方により呼び名がさまざまです。根元で茎が湾曲して立ちあがるために根曲がり竹の名があります。太さは1~2cm、丈は5~15cmぐらいで、山菜として出されることが多いようです。根元はやや固いですが、中身は白くて独特の風味と歯ごたえが味わえます。市場に出回るものはほとんどがハウス栽培で、自生するものは掘り出されてすぐに産地の朝市などに並びます。瓶詰めなどにもされます。

・筍の成分

栄養成分は、たんぱく質が豊富で、ビタミンB1、B2、ミネラルを含みます。食物繊維が豊富なため、便秘や大腸がんなどの予防に効果的だとされています。筍は、精が強い食物ですが、食べ過ぎが原因で吹き出ものやアレルギーに似た症状を起こすことがあります。これはコリンやノイリンという物質が原因だそうです。

豊富な食物繊維は、便秘の予防・改善だけでなく、大腸がんの予防やコレステロールの吸収を抑え、体外に排出してくれるという効果があります。わずかながらもカリウムが含まれていますので、体内のナトリウムを排出する効果があり、高血圧の予防になります。しかも低カロリーで、ダイエット食として適しています。うまみ成分の一つであるアスパラギン酸は、グリーンアスパラガスなどにも含まれる成分で、疲労回復に効果があります。

昔から、発疹が内攻しておもてに出てこないときに、筍の煮汁を飲ませると1~2回で発疹が出て、麻疹(はしか)が治るといわれています。

・選び方&保存方法

筍は鮮度が命です。皮につやがあり、うぶ毛のそろった、切り口のみずみずしいものを選びましょう。大きさの割に軽いものは水分が無くなり、鮮度が落ちています。穂先が黄色でなく緑色になっているものは、育ちすぎでえぐみが強いので避けましょう。
孟宗竹の場合は、形がずんぐりとした釣鐘型もので、外皮は薄茶色でしっとりとしていて毛ばだち、先端は黄色く、切り口が白くてみずみずしいものがよいでしょう。根元の赤い粒々が小さくて少ないものほどやわらかいです。

生のままおいておくと固くなり、えぐみが増します。保存する場合は必ず、下ゆでをしてあく抜きをしてください。あく抜き後、水に浸して密封容器に入れ、冷蔵庫で保存します。時々水を入れ替えれば、10日ぐらい持ちます。
水煮を買ってきたときは、水を張った容器に移し替えて冷蔵庫で保存します。賞味期限内に食べきってください。食物繊維が多いので、冷凍保存には向きません。解凍するとベタベタになり、食感も風味もかなり落ちてしまいます。

旬菜キッチン レシピ

やっぱり筍といえば風味の良い「炊き込みご飯」が定番!
春の暖かい日差しを浴びながらのお花見にも最適な「筍ご飯」です。
まずは、生の筍の下茹での方法から・・・

〔筍の下茹で〕
1. 皮付きのまま穂先の部分を斜めに切り落とし、さらに切り口から皮の部分を縦半分に1本の切れ目を入れます。
2. たっぷりの水に筍とぬか2カップと赤唐辛子2~3本を入れて強火にかけ、沸とうしたら落としぶたをして、弱火で1時間以上ゆでます。
3. 根元に竹ぐしがすっと通るようになったら火を止め、ゆで汁の中でそのまま冷まします。
4. さめたらよく水洗いし、切り目から皮を開くようにして皮をむきます。

●筍ご飯(4名分)

筍ご飯

【材料】
ゆで筍2本(400g程度)
油揚げ2枚
人参1本
3合(540cc)
だし汁540cc
大さじ1
薄口しょうゆ大さじ2
みりん小さじ2
小さじ1/2
みつ葉適量
【下準備】
  1. 人参は2~3センチほどの千切りにしておく。
  2. お米は、洗米して30分以上吸水させておく。
  3. 筍は一口大程度の薄切りにしておく。
  4. 油揚げは、人参よりも少し太めの細切りにしておく。
【作り方】
  1. 吸水させた米の水気を切り、だし汁と調味料を加えて一度軽く混ぜる。
  2. 1. の上に、人参、油揚げ、筍を乗せて炊く。
  3. 炊き上がったらよく混ぜて、お好みでみつ葉を散らせる。
○ポイント
  1. うまみ成分はグルタミン酸やチロシン、アスパラギン酸などのアミノ酸によるものです。ゆで筍の白い粒々はチロシンで人体に害はありません。洗い流さないように注意して下さい。
  2. お鍋や土鍋で炊くとおこげもまた美味です。炊く時の目安は、沸騰するまで強火で加熱し、弱火に落として10分、火を止めて10分蒸らしたら出来上がりです。
  3. 食物繊維がたっぷりなので、便秘知らずのダイエットメニューです。
  4. みつ葉でなくても、春を感じる野菜のそら豆やグリンピースを茹でたものを混ぜ合わせても良いでしょう。
卯月佳子(うづきけいこ)(料理研究家)
卯月佳子
卯月(4月)に東京都に生まれる。
大学時代には、食物文化を研究。その後、いったんは金融機関に就職し役員秘書など務めるが、持ち前の料理センスと社交術を活かし大手料理スクールに転職。セレブ向けレッスンを担当する売れっ子講師として活躍する。
現在は独立し、料理スクールの講師を務める傍ら、食品・飲料メーカーや地方自治体から依頼を受け100近いレシピを開発の実績を持つ。
誰でも美味しく、簡単に旬の食材を食べることができるレシピの数々。また、明確で明るい語り口調にファンも多数。花ランでは、店舗に対する料理アドバイザー、メニューの紹介などを担当。

<所有資格> 調理師免許、大手料理スクール師範資格、ジュニアベジタブル&フルーツマイスター


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